昆布や鰹節を使った合わせ出汁から煮干し出汁の取り方、水出しまで。美味しい和食を作る、だし汁の作り方
和食の基本、和風だしの作り方です。
レシピで見かける「だし汁」は、昆布と鰹節を使った合わせ出汁の事。 簡単に作れるだし汁の作り方から昆布や鰹節を使った水出しの方法、煮干し出汁の取り方、下処理/下ごしらえまで、美味しい和食を作る和風だしのレシピです。
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■材料
- ・だし昆布…水に対して1%(合わせ出汁の場合)
- ・鰹節…水に対して1%(合わせ出汁の場合)
- ・煮干し…水1リットルに対して30~40g
★煮干しと昆布の合わせ出汁の場合、煮干し、昆布共に水に対して1%となります。
だし汁、合わせ出汁の作り方
■材料の下準備
・鰹節と昆布を用意する。
・昆布を固く絞った布巾やキッチンペーパーで拭き、水につけておく。
★水につける時間は30分以上。余裕があれば前日から10時間以上つけておくと、出汁が出やすくなります。
★昆布をつけた水はそのまま使います。※水については下記「水出しに使う水」を参照
★昆布と鰹節を合わせることで、グルタミン酸とイノシン酸の相乗効果により旨味が数倍強くなります。※下記「出汁のまとめ」を参照
昆布と鰹節の量
合わせ出汁の場合、昆布と鰹節の量は水に対して1%が基本。水1リットルに対して鰹節10g、昆布10gとなります。
何度か基本の分量で作ってみたら、以後は目分量でも問題なし。それほどきっちりと計らなくても美味しいだし汁になるので、お好みで鰹節を増やしてみたり煮干しにしてみたりと、なんとなくの感覚で気楽に作ると料理も楽しいかと思います。
■昆布を煮出す
・水につけておいた昆布を、ゆっくりと弱火で10分程度煮だす。
・沸騰寸前に火を止め、昆布を取り出す。
★10分後に沸騰するような火加減です。
※沸騰したまま煮ないように注意。
■鰹節を煮出す
・昆布を取り出したら鰹節を入れ、極弱火で7~8分煮出す。
・沸騰寸前に火を止め、鰹節を濾して出来上がり。
★7~8分後に沸騰するような火加減です。沸騰したまま煮ないように注意して下さい。
★鰹の香りが効いた出汁にする場合は、鰹節の量を倍にして10分程度煮出します。
※一番だし二番だしといった出汁の取り方ではなく、ご家庭で使いやすいように無駄をなくしただし汁の取り方です。
家庭で使うだし汁
昆布と鰹節の合わせ出汁は、一番だしと二番だしとがあります。
すまし汁などには濁りがなく上品な香りの一番だし、煮込み料理にはしっかりと出汁の旨味を引き出した二番だしと使い分けますが、これはどちらかというとお店での使い方。鰹節も昆布も安いものではないので、ご家庭では無駄なく出汁の旨味を取った方が個人的には良いのではないかと考えております。
一番だしは昆布を取り出したら、鰹節を一分程度煮出して絞らずに濾しますが、 ご家庭で作るだし汁は昆布を取り出してから鰹節をごく弱火で7~8分程度煮出し、軽く絞るように濾してしっかりと旨味を出す作り方がおすすめ。経済的で無駄もなく、ご家庭で使うだし汁に適しているかと思います。
だし汁、合わせだしの水出し
■材料の下準備
・昆布を固く絞った布巾やキッチンペーパーで拭く。
・鰹節と昆布を水出しポットなどに入れ、水を注いで冷蔵庫で一晩(10時間以上)寝かせる。
・昆布を取り出し、鰹節を濾したら出来上がり。
★水につける時間は10時間以上。煮出して作っただし汁よりも上品なだし汁になります。
★鰹節ではなく煮干しでも同じように水出しが出来ます。
水出しからの二番だし
水出し後の昆布と鰹節は、まだ旨味が残っている状態。取り出したあとに煮出すことで、さらにだし汁が取れます。
ラーメンスープを作る時は鶏がらや豚骨を煮込みながら、水出しを注いで蒸発して減った分を補い、最後に残った鰹節と昆布を入れて煮込むことで無駄なく使います。
水出しに使う水
出汁を取る時に適した水は軟水。ミネラルウォーターを使えば雑味の無いおいしいだし汁が作れますが、この時注意するのは絶対に硬水を使わないこと。 特に昆布は硬水を使うと出汁が出なくなります。
日本の水道水は沖縄を除き基本的には軟水なので、出汁を取るには最適な水ですが、気になるのが塩素消毒をするためのカルキ臭。水出しの場合はとくにカルキ臭を強く感じるので、一度煮沸することをおすすめします。
煮沸にはカルキ臭を取り除く以外に、硬度を下げる効果も。
やかんの底にこびりついている水アカが炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムといった水を硬水にする正体。煮沸によって水に溶けていた、この炭酸水素カルシウムや炭酸水素マグネシウムが、やかんや鍋の底に溜まることで水自体が軟水に変化し、さらに出汁を取るのに適した水になります。
京都のお豆腐が美味しいのは、地下から組み上げる井戸水が軟水だから。豆腐やだし汁だけでなく煮込み料理やお茶など、日本料理に最適なのは軟水ということになります。
※発がん性があるトリハロメタンは煮沸により増加すると言われることもありますが、煮沸する時間を伸ばすことで逆に除去することが可能。
煮沸開始から沸騰するまでの間、トリハロメタンは一時的に増えますが、沸騰後も煮沸を続けると4~6分でトリハロメタンはほぼ消失。 沸騰寸前で煮沸を止めてしまう湯沸かしポットではなく、やかんや鍋を使い、沸騰後も4~6分以上煮沸することでトリハロメタンの影響は防げるようになります。
煮干し出汁の取り方
■煮干しの下ごしらえ/下処理
・煮干しの頭と腹(黒い内臓部分)を取る。
・フライパンで軽く煎って臭みを抜く。
★頭と腹を残したまま作るとえぐみの原因になるので、しっかりと取り除きます。
★フライパンで炒る工程は丁寧に作る場合。時間がない時は飛ばして下さい。
★煮干しの量は鰹節と昆布の合わせだし同様、昆布と合わせる場合は水に対して1%ですが、煮干しだけの場合は3~4%(水1リットルに対して30~40g)に増やします。
■煮干しを煮出す
・煮干しを鍋に入れ、水を注いで30分以上寝かせる。
・中弱火で火にかけ、沸いてきたら沸騰しないように弱火にする。
・アクを取りながら10分程度煮出して煮干しを濾す。
★合わせ出汁のように、煮干しも昆布と合わせると相乗効果で旨味が数倍強くなります。※下記「出汁のまとめ」を参照
出汁のまとめ
和食に欠かすことの出来ない和風だしも、市販のだしの素ではなく自分でだし汁を作ることで、いつもの和食料理がぐぐっと美味しいものに変わります。
出汁の旨味を大まかに分けると、鰹節や煮干しに含まれるイノシン酸、昆布に含まれるグルタミン酸、干しシイタケに含まれるグアニル酸の三つ。 植物由来の物が多いグルタミン酸やグアニル酸と、動物由来のイノシン酸を合わせることで相乗効果が生まれ、単品で作るだし汁より数倍強い旨味が出るようになります。
昆布と鰹節、昆布と煮干しといった合わせ出汁がおいしいのは相乗効果によるもの。単品で作るだし汁よりもずっと旨味のある、おいしいだし汁になります。
市販のだしの素はお手軽ですが、どうしてもくどさが残り、多彩な和食の味が単調なものになってしまいます。
毎日出汁を取るとなると面倒なものですが、特別な日や時間に余裕のあるとき限定と割り切ってしまうのも良いのではないかと。 出汁作りや下ごしらえの面倒だった和食料理も、楽しく美味しいものになるのではないかと思います。
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